寄与分が認められるケースとは?
近年、高齢化社会の進展により、親の介護を担う人が増えています。介護は肉体的にも精神的にも負担が大きいですが、献身的に介護を続けた場合、相続において「寄与分」として認められる可能性があります。
寄与分とは、被相続人に対して特別な貢献をした相続人が、法定相続分よりも多くの財産を相続できる制度です。介護が寄与分として認められるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 介護が特別の寄与であること 扶養義務の範囲内で行われる程度の介護ではなく、時間、労力、金銭面において著しい負担があったことが必要です。具体的には、以下のような点が考慮されます。
- 介護期間の長さ
- 介護の程度(身体介護、食事介助、排泄介助など)
- 介護にかかった時間
- 介護のために仕事を辞めた、休職したなどの事情
- 専門的な介護知識や技術を習得したこと
- 高額な介護費用を負担したこと
- 被相続人の財産の維持・増加に寄与していること 介護によって、被相続人の日常生活の維持や病気の回復、財産の管理などに貢献したことが必要です。
- 介護により、被相続人が施設に入所せずに自宅で生活できた
- 介護により、被相続人の病状が改善し、医療費が節約できた
- 介護により、被相続人の財産を維持・管理できた
- その他の要件
- 介護を自発的に行ったこと
- 介護を報酬を受けることなく行ったこと
- 他の相続人が同程度の介護をしていないこと
上記3つの要件をすべて満たすことができれば、寄与分として認められる可能性が高くなります。しかし、個々の事案によって判断されるため、必ずしも認められるとは限りません。
寄与分が認められた場合のメリット
寄与分が認められると、以下のメリットがあります。
- 法定相続分よりも多くの財産を相続できる
- 介護にかかった費用を相続財産から控除できる
- 介護に対する労力や精神的負担を金銭的に評価してもらえる
寄与分を請求する方法
寄与分を請求するには、相続人全員の合意が必要です。合意が得られない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。
寄与分を請求する際の注意点
- 寄与分を請求するには、介護の内容や期間などを証明する資料が必要です。介護日記、領収書、写真などが役立ちます。
- 寄与分の具体的な金額は、裁判所によって判断されます。
- 寄与分を請求することによって、他の相続人と揉める可能性もあります。
まとめ
親の介護は大変な労力ですが、寄与分として認められる可能性があります。もし、自分が介護に多くの時間や労力を費やしてきたと感じる場合は、積極的に寄与分を請求することを検討してみてはいかがでしょうか。
寄与分を請求する際、弁護士等により根拠となる書類などの提出があれば認められやすいです。
無償で介護をしながら介護日記などを毎日の記録を取ることをお勧めいたします。
遺産分割協議の際に、ご家族の方とのお話し合いで納得できる考慮を頂ければ問題ないことですが、相続は家族の第三者などのアドバイスなどによりトラブルになるケースが多数あります。
血を分けた兄弟や身内だけのお話であれば問題ないと思いますが、可能であれば遺言などを残してもらうなど終活として準備をおススメ致します。
おうちの相続カウンタ―では、遺言や寄与分など財産分与についてもご相談が可能です。
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